盛夏、東国西国(栃木那須、岡山美星町)での公演予定

 七月末から八月初めにかけて、日本の東と西の地で素晴らしいコラボレーターとのパーフォーマンスを行います。

那須「山のシューレ」縄文のオトとカタチの原風景
土取利行+猪風来(縄文造形)

まず東国は栃木県那須横沢地区で開催される「山のシューレ」。これは7月29、30、31日の三日間、「各界で活躍している人たちを講師として招き、芸術や、日本学、そしてモノ作りワークショップ、自然体験ワークショップなど、様々なプログラムを展開」するもので、わたしはこのプログラムの三日目最後の結び舞台を任されています。

<二期の森での縄文鼓演奏>
演題は「縄文・オトとカタチの原風景」とし、縄文鼓の演奏を中心にコラボレーター猪風来(いふうらい)氏を迎え、初めての縄文造形作家とのジョイントパーフォーマンスを行います。猪風来氏は本名村上信義、1947年広島生まれの現代稀な縄文造形作家です。高校卒業後上京し、武蔵野美術短期大学油絵科を卒業し、現代アートを指向する洋画家となったものの、七〇年代に縄文土器と巡り会い、千葉県の加曽利貝塚博物館で土器作りの技法を修練していくうちに縄文土器の造形に集中していき、八六年に原爆の図、丸木美術館で「現代創作土偶展」を開催。八八年には北海道の豪雪地、浜益村に自力で竪穴住居を作り、二〇年間にわたって、畑を開き、自給自足の生活を送るとともに、縄文野焼き技法による独自の世界を開発してゆく。その後国内外で展覧会を重ねながら、二〇〇五年に、岡山県新見市法曽に移住し、廃校を利用した「猪風来美術館」を開設。ここで野焼きによる多くの縄文造形作品を産み出すと同時に、地元に一二〇〇年前より伝わる法曽焼を一五〇年ぶりに復活させるなど、精力的な活動を続けている。
  
<猪風来作:女神>          <猪風来作:縄文土器

 今回は彼の縄文土偶作品をいくつか展示してもらう他、わたしの縄文鼓演奏と同時にその場で土偶を作り出してもらうよう画したが、両者のオトとカタチがどう巡り会い、結晶化していくか期待が高まるところである。
 「山のシューレ」の開催地は二期倶楽部やアートビオトープなどが並ぶ自然豊かな高原地帯。とりわけ二期倶楽部では桃山晴衣も生前に独演会を開いているし、松岡正剛氏発案による野外ステージ開設祝いの折には桃山とわたし、そして近藤等則と安田登氏等とも出演し、その後も二期の森で土舞台を作りそこでマイクも照明もない、縄文鼓の演奏会を開催したりと、個人的にも縁の深い場所である。なお縄文鼓の演奏は2007年の9月にこの二期の森で演奏して以来。入魂のパーフォーマンスにしたい。
◎「山のシューレ」の詳細はこちらから/http://www.schuleimberg.com/
◎猪風来美術館のホームページ/http://www.ifurai.jp/index.html

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岡山県美星町 中世夢が原 『光」キム・メジャ&チャンム舞踊団+土取利行

先の那須のイベントに続いて、西国では8月6日の土曜日に岡山県井原市美星町、中世夢が原で、韓国舞踊界の第一人者キム・メジャさんとチャンム舞踊団のトップ女流舞踊家三名と歌手、そしてわたしの演奏による日韓のアートコラボレーションが開催されます。題して「光〜深遠なる魂の舞楽デュエット」。

<光/奈良公園
これは昨年奈良の平城遷都1300年を記念して行われたNARASIA2010が初舞台となったキム・メジャさんと私のデュオパーフォーマンスをさらに発展させた必見の舞台です。奈良で絶賛されたこの作品は、韓国の高陽市で毎年開催されているインターナショナル・ダンス・フェスティバルでも、この6月に上演してきました。(その様子は前回ブログでも報告)
http://d.hatena.ne.jp/tsuchino-oto/20110615/1308111618
 ところで、奈良での「光」の公演が終わって間もなく、この韓国公演の話しがキムさんからあがりましたが、NARASIAでの初演を見て、いてもたってもいれずソウルに飛び、キム・メジャさんにこの作品を再び日本で上演できないかと、交渉にいった人物がいます。それが今回の岡山美星町での公演の仕掛人、日高奉文氏です。彼のことは以前からこのブログでも触れています。
http://d.hatena.ne.jp/tsuchino-oto/20090604/1244112189
http://d.hatena.ne.jp/tsuchino-oto/20090221/1235201984
 日高氏は、今年からこれまで活動拠点としてきた美星町、中世夢が原の園長に就任され、さらなる岡山の、いや日本文化復興のために全力疾走し、その熱い思いを「いろり通信」として毎日のように綴っておられますのでご一読を。
http://blog.yumegahara.com/
 またキム・メジャーさんは日高氏の熱意によって本公演を快諾いたしましたが、野外公演なので一度現場を見ておきたいと、この4月に美星町の夢が原を訪れ、場所を散策した後、ここでは彼女のチャンム舞踊団からベテランダンサー数人を加えて踊りたいという運びになりました。

<チャンム舞踊団の面々>
先の韓国高陽市での公演はこの前哨戦とでもいうべきグループ・パーフォーマンスとなり、奈良でのものとは異なる舞台が展開しました。今回キム・メジャさんと来日するのは、ベテラン中のベテラン、キム・ソンミさんとチェ・ジヨンさん、キム・ミソンさん、いずれも独舞の世界でも注目を集めている精鋭たちです。またさらにキム・ジヨンさんが韓国の伝統民俗舞踊で会場を盛り上げてくれるようでもあり、今から楽しみです。
 なお日高氏は選挙戦よろしく岡山一円をポスターとチラシを持って、この日のために一人でも多くの人が「光」の公演に来てくれるよう駆け回ってくれているようです。その彼と、多くの関係者の皆様の期待にこたえるべく、この日に向けてエネルギーを集中していきたいと思っています。

<光 中世夢が原公演のチラシ>
 拡大版はこちらから
「光〜深遠なる魂の舞楽デュエット」
韓国舞踊
◎金梅子(キム・メジャ)&
チャンム・ダンスカンパニー
キム・ソンミ、チェ・ジヨン、キム・ミソン、キム・ジヨン
パーカッション
◎ 土取利行
◎ 日時/8月6日(土) ◎開演/19:00
◎ 会場/中世夢が原(武士の屋敷前広場)

◎ 料金/前売り3000円(当日3500円)
◎ お問い合わせ TEL0866−87−3914
mail/ ts-yume@ibara.ne.jp
中世夢が原公式ホームページ/http://www.ibara.ne.jp/~ts-yume/index.html