金沢市民芸術村アート工房でのレクチャー&ワークショップ
2月24日、25日の両日にわたって金沢市民芸術村アート工房で、レクチャーとワークショップを開催。かつての紡績工場後にいくつかの工房が配置されたレンガ作りの建物の一室を会場に、一日目は旧石器時代の音楽、とくに壁画洞窟の音についてのレクチャー。二日目は今回の主催者であるディレクター、陶芸家の戸出雅彦氏にわたしがオーダーして製作していただいた陶磁器、陶器の器や板、棒状の音響物を用いてのワークショップ。
実はこのアート工房でのレクチャーは、十年ほど前に拙著「縄文の音」出版の際にも行なっており、今回はそのときの主催者で工房ディレクターを務めていた美術家、新保裕氏が映像を映す壁にダイナミックな絵画を一気に描きあげてくれた。レクチャーは,最初に入った壁画洞窟の体験談に終始したが、かなりの臨場感をもって話せたこともあり、誰もが感動してくれた。このレクチャー効果もあり、二日目のワークショップも大勢の参加者が集まり、戸出氏の作ってくれた陶器、磁器の茶碗を皆で打ちながら様々なリズム・ヴァリエーションを作り出したり、骨のような棒状の磁器を紐で吊るしたものをそれぞれが揺らしながら会場を自由に歩いて不思議な共鳴を醸し出し、最期は灯りを落とした室内を土笛を吹き、陶器を叩きながら全員が、壁画を描き続ける新保氏の周りに集まり儀式のような形になっていった。
金沢は桃山晴衣が度々コンサートに訪れていた地でもあり、かの女と親交の深かった茶房犀星の村井幸子さんや、さらら館の小林政子さん、寺喜屋のおかみさん等ともお会いし、生前の桃山を偲んだ。