2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

馬喰町ART+EAT エリック=マリア・クテュリエとのフリーインプロビゼーション

24日はエリック=マリア・クテュリエとのコンサート。春の訪れ間近い郡上から久しぶりの東京へ。コンサート会場は馬喰町のART+EATで、ここは今回で4回目の出演になる。このギャラリーは郡上の木工工芸家、井藤昌志くんが製作した素朴でアーティスティックな…

桃山晴衣の音の足跡(8) 岡本文弥と菜美子、その二

「菜美子のこと」は今の文庫本の大きさのしゃれた箱入り単行本「芸渡世」に掲載され、その後版を重ねているが、そのたびごとに箱も本もデザインが異なり、一冊目にはなかった菜美子の写真が三冊目には登場して来る。岡本文弥師はほとんどの自著をほのぼのと…

桃山晴衣の音の足跡(7)岡本文弥と「菜美子のこと」

「かつて「思想の科学」という雑誌があった。そこには当代の芸術家、批評家、詩人などのうるさがたが、群雄割拠してはなばなしく論陣をはっていた。時代をリードする雑誌だったと言っていい。 その雑誌に拠る論客たちが、こぞって推挙するアーティストが、若…

桃山晴衣の音の足跡(6) 語りと現代文学

74年から75年にかけ、三回にわたって催した「古典と継承」で、桃山晴衣は多様な試みをしている。第一回はゲストに平曲の井野川幸次検校を招き、三味線で地唄「高雄山」を演奏していただき、自らの演奏で三味線復元曲、江戸小唄、そして新たに作詞・作曲した…

桃山晴衣の音の足跡(5)語り物と落語

「古典と継承」シリーズを開催した74~75年にかけて桃山晴衣は多くの落語家と出会っている。中でもよくコラボレーションを行ったのが当時の三代目桂小文枝(後、五代目桂文枝)。73年頃、当代随一といわれたハメモノ入りの噺の一つ「立切れ」に、氏が普通は…

桃山晴衣の音の足跡(4)語りもの

桃山晴衣が父、鹿島大治氏の後見で桃山流を名のっていた頃は小唄、端唄、そして三味線の古譜解読による復元曲などがレパートリーの中心となっていたことを先に述べた。この頃は父上の意向が大きく作用していた時でもあったが、60年代中頃に四世宮薗千寿師の…

東京でのコンサートすでに・・・・

昨日の今日で申し訳ありません。馬喰町ART&EATでのエリックとのコンサートはすでに、予約が殺到し、わずかキャンセル待ちと立ち見席で調整を計っているという連絡がありました。葉書でご案内した方など、これから申込みをという方もあっただろうと思いますが…

東京でのコンサートとレクチャー

昨日とうってかわって今日は春の気配さえ感じる暖かさ。周りの雪も次々と融け出し、綿帽子を被っていた樹々は葉脈のように枝々を露にしています。 さて今月は久しぶりの東京詣で。急遽、東京でのコンサートとレクチャーが決まりましたのでお知らせします。コ…

桃山晴衣の音の足跡(3)

先に鹿島大治氏の復元曲について記したが、これら復元曲の中でもずっと手つかずのままにあった古態どどいつといわれる「神戸節」が氏によって復元されたことはあまり知られていない。この「神戸節」について大治氏自身が桃山の機関誌「桃之夭々」に少し説明…

桃山晴衣の音の足跡(2)

昨日は彼女が書き残してきた貴重な文章が集積されているいくつかの機関誌について少し紹介してきたが、この機関誌には桃山自身の他にも多くの貴重な人たちが執筆したり、インタビューに答えたりしている。今日はその中から復元曲に関するものを取り上げてみ…