馬喰町ART+EAT エリック=マリア・クテュリエとのフリーインプロビゼーション

 24日はエリック=マリア・クテュリエとのコンサート。春の訪れ間近い郡上から久しぶりの東京へ。コンサート会場は馬喰町のART+EATで、ここは今回で4回目の出演になる。このギャラリーは郡上の木工工芸家、井藤昌志くんが製作した素朴でアーティスティックな椅子やテーブルを使用していてとても心地よい空間である。井藤くんからオーナーの武眞理子さんを紹介してもらったのがきっかけで、普段はコンサートよりも様々なジャンルの美術関係の展示やイベントが主として開催されているところなのだが、私は毎回異なる内容のイヴェントをやらせてもらってきた。一回目は出版記念会もかねて、旧石器時代の壁画洞窟の音楽についてのレクチャー。二回目は横浜のBANKアートで公演した私の友人でルワンダ人の演出家ドルシー・ドゥバンガ率いる劇団ウルヴィントーレの面々からプレゼントされたルワンダの太鼓ンゴマを使ってのコンサート。三回目はピーター・ブルック劇団で昨年まで公演してきたアフリカのスーフィー教徒、ティエルノ・ボカールの言葉を弦楽器エスラジの演奏とともに語るという、少し演劇的なプログラム。そして今回は完全なる音楽コンサート、しかもフランスの鬼才チェリスト、エリック=マリア・クテュリエとのフリー・インプロビゼーションとあって、案内がwebにでた途端に予約が一杯になり、立ち見も増やしたものの、結局葉書でご案内した人たちの多くが入場できなかったらしく、申し訳ありませんでした。
 エリック=マリア・クテュリエは桃山晴衣が昇天した数ヶ月後、郡上の家に訪ねてくれ、そこで晴衣のためにバッハを演奏してくれ、またピーター・ブルックがパリのブッフ・ドュ・ノール劇場で晴衣の追悼会を開いてくれたとき、トルコの友人、ネイ奏者のクツィ・エルグネルと一緒に演奏で参加してくれ、またパリでは彼が所属するブーレーズのアンサンブル・アンテル・コンタンポランのコンサートに招待してくれてもいた。しかし中々二人でコンサートをやる機会がなかったので、急遽他の仕事のために来日したわずかな休日を空けてもらい今回のコンサートが実現したのである。このコンサートの様子をさっそく立光学舎のyoutubeにアップロードしたのでご覧下さい。かれがただ者ではないことがおわかりいただけるはずです。

 さて翌25日は「桃山晴衣と日本音楽」と題した全く異なる会を、全く雰囲気の違う会場、吉祥寺のサウンドカフェ・dzumiでもったが、これについては次回のブログで。とりあえずは東京一日目、エリックとのコンサート報告まで。