2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

桃山晴衣の音の足跡(28) 幻の古曲、宮薗節(七)

<宮薗節の面影を残す桃山の弾き唄い/たもと> これまで述べてきたように、宮薗節は宮古路豊後掾の門人であった宮古路薗八が亨保年間(1716〜1735年)の末に興した豊後系浄瑠璃の一つであり、特に日本が明治維新での西洋化、世界大戦への参戦などで…

桃山晴衣の音の足跡(27) 幻の古曲、宮薗節(六)

千寿師匠の思い出と死 <桃山晴衣筆、宮薗節:鳥辺山台本:細部にわたって唄と糸の節回しなどが鉛筆でマークされている> 内弟子時代、桃山晴衣は千寿師匠とよく旅をした。箱根千石原の俵石閣で開かれるおさらい会は、毎年銀座のガスホールで開かれていた千…

桃山晴衣の音の足跡(26)幻の古曲、宮薗節(五)

桃山晴衣の師、四世宮薗千寿(人間国宝)は本名を水野ハツといい、1899年明治32年9月10日、東京神田生まれ、生粋の江戸っ子である。 桃山の話では「四十歳過ぎた母親に生まれた、俗にいう恥かきっ子の師匠は、幼児の頃からのキカン気に芸事が大好きで、自…

友来たり、精霊来たる郡上踊りの夏

8月13日から16日までの四日間、盂蘭盆会を迎えた郡上八幡は寝ずの街と化し、郡上徹夜踊りが行われる。夜8時から朝の4時までお囃子衆を乗せた屋台車が四つ辻の真ん中に据え置かれ、それを取り囲んだ踊りの列が四方の街路へと延び、歩行もままならぬほ…

盛夏、暑中お見舞い申し上げます。

暑中お見舞い申し上げます。 郡上は昨日から郡上踊り徹夜モードに入りました。地元の人達の帰省とともに精霊たちも山郷に戻り共に夜を踊り明かします。立光学舎を建立した当時は、桃山とよく踊り明かしました。彼女も、そして地元の素晴らしい文化人、踊りス…

「山のシューレ」結び舞台で生まれた縄文土偶

報告 7月31日那須での「山のシューレ」結び舞台で生まれた縄文土偶 梅雨が明けたと云うのに、にわか雨の多いぐずついた天気が毎日続く。7月29日から31日までの三日間、那須で開催された「山のシューレ」は連日悪天候に見舞われた中でのイヴェンとな…

桃山晴衣の音の足跡(25)幻の古曲、宮薗節(四)

四世宮薗千寿師と桃山晴衣 先述のように、桃山晴衣は宮薗節と深く関わってきた家系の中で育ってきた。宮薗節中興の祖といわれる山城屋清八(初世宮薗千之)の二人の女流門弟、小川さな(二世千之)、梅田たづ(初世宮薗千寿)のうち前者、小川さな(二世千之…