【3月のイヴェント案内】土取利行・港千尋対談「壁画洞窟が語りかけるもの」
【3月のイヴェント案内】
3月は3日、4日、8日と東京でイヴェントを行います。
■三番目のイベントはおなじみとなった馬喰町ART+EATでの港千尋氏との対談「壁画洞窟が語りかけるもの」です。港氏と初めて会ったのは2003年にNHKで放映された「暗闇に残されたメッセージ・人類最古壁画洞窟の謎」の番組でナビゲーターとして一緒に出演したとき。
その一年前に私は、唯一音楽と関係する壁画が残る、フランス人でも入ることのできない洞窟に入れてもらったり、音響考古学の分野で洞窟壁画と音の関係を調査している研究者を紹介してもらったりと、縄文時代の音から先の旧石器時代の音の探求へと向かっていて、NHKのディレクターから日本でも洞窟壁画の番組を造りたいので相談にのってほしいとの依頼を受けたのである。そして壁画だけではなく壁画と音の関係をも重視した番組にするということで、出演を引き受けることになった。港氏はこの時、「洞窟へ」という当時発見されて間もない最古の壁画洞窟ショーヴェの資料を盛り込んだ、洞窟壁画に関する素晴らしい著書を発表して間もない頃で、一緒に仕事ができるのを楽しみにしていた。彼の肩書きは写真家であるが、分筆の方も冴えていて人類学、社会学、考古学、美術とジャンルを超えた論文を書き、多くの著書を発表している。なお夫人は壁画洞窟の宝庫といわれる南仏ピレネー山麓のバスク出身のフランス人とあって、港氏が「洞窟へ」を書いたのもこの地方と縁が深かったこともあげられよう。また彼は若い頃から南米のアマゾン領域から南端のフエゴ島はじめ、各地を歩いてまわり、世界の今をレンズに収め、言葉であらわす作業を続けている行動する写真家、学者である。私もずっと旅を続ける身だったこともあり、ずっと長く遭えずにいたが昨年、二期倶楽部の雑誌「三つの椅子」の対談を頼まれ久しぶりにあって楽しい話をすることができた。お互いに世界をまわっていることもあり、話題にはことかかず、もう少し色々な話を展開できればという思いもあり、今回の会を持つにいたった。二人が壁画洞窟を探訪してすでに十年近くが過ぎようとしている。あのときの思い出話も交えながら「壁画洞窟」にまつわる興味深い話が展開できればと思っている。なお偶然にもこの会の五日前から名監督ヘルツォークの「世界最古の洞窟壁画・忘れられた夢の記憶3D」が公開される。この映画は32000年前の壁画が残る最古の壁画洞窟を3Dカメラで撮ったもので、映画にはショーヴェ洞窟の第一期研究総監督を務めていたジャン・クロット氏も出演しており懐かしかった。壁画洞窟研究の泰斗であるクロット氏は私が初めて誰も入ることのできなかった洞窟を案内してくれ番組の時にも出演していただくなど、大変お世話になった方、壁画に関する考え方も彼によって大きく変わろうとしている。ともあれ、3月はヘルツォークの「世界最古の洞窟壁画・忘れられた夢の記憶3D」を観、壁画洞窟の4D体験をしている私たちの話を聞き、今在る自分を古代から逆照射して見てください。
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「壁画洞窟が語りかけるもの」
対談:土取利行(音楽家)+港千尋(写真家)
日時:3月8日(木) 開場PM6:30 開演:PM7:00
会場:馬喰町ART+EAT 予約制3000円(ワンドリンク付)
〒101-0031東京都千代田区東神田1-2-11アガタ竹澤ビル202
tel/fax 03-6413-8049 e-mail/bakurocho@art-eat.com
詳細はこちらから
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