馬喰町ART+EAT ニューイヤー・コンサート

  

馬喰町ART+EAT/アフリカン・ドラムソロ

桃山晴衣が逝去し、ずっと喪に伏していた郡上から離れ、久しぶりに東京へ。今年初めてのコンサートの場として選んだのは、昨年『壁画洞窟の音』の出版に際してレクチャー&サウンド・デモンストレーションを開催させていただいた馬喰町ART+EAT。偶然にも1月24日の『桃山晴衣を偲ぶ会』の前日となったため、かの女への追悼コンサートともなった。
 ギャラリー・レストランの素敵なスペースだが、入場者は50人くらいと限定していたため、早くから予約〆切の状態。しかたなく30人ほどを立ち見という条件で追加し、演奏にのぞんだ。用いたのはルワンダのンゴマ、マリのジャンベ、ブルキナファッソのドラムと、ナイジェリアの打鐘。ンゴマは昨年横浜Bank Artで『追求』を上演したドルシー・ルガンバ率いる劇団ウルヴィントーレから送られた大切な太鼓。あの94年、ルワンダのジェノサイドで犠牲になった人たちへの追悼もこめて演奏した。また昨年ドルシーと一緒に来日したマリ、ドゴン族の美術家アブドゥーのボゴラン・アート(泥染めの刺繍タペストリー)を装飾として持参した。
( かれらは郡上の立光学舎に滞在し、桃山を特別に尊敬していた)。最初は完全にドラム・ソロだけに徹しようと思っていたが、自然と声が出、歌となり、結局、参加者に語りかけるようなコンサートになってしまった。ときに真剣に、ときに笑い、ときに踊って、共鳴してくれた温かい観客に恵まれて、悲しみに包まれていた心が浄化されていくようだった。オーナーの武さんはじめ素敵なスタッフのおかげで印象的な年明けとなりました。