ヴロツワフ再訪。

『11&12』世界ツアーの始まりは、昨夏、リハーサルのために訪れたポーランドヴロツワフから。飛行機でここに辿り着くにはパリからドイツのフランクフルト空港で乗り換えなければならない。朝6時にシャルル・ド・ゴール空港に出かけ、8時過ぎの便を予約していたが、フランクフルト空港が雪のために閉鎖、整備のため便が大幅に遅れるとのこと。ミュンヘン経由に切り替えたが、この便も出発が4時間ほど遅れ、ヴロツワフへの便は夜8時30分までないときた。どうにかミュンヘンから100人乗りのプロペラ機で目的地ブロツワフ空港へ着いたものの、ここでも雪のため滑走路の整備に一時間ほどかかり、その間飛行機は上空を旋回。なんとか氷上に着陸するようなスリルをともない無事到着。そういえばこの空港上空では、昨夏も豪雨のため着地まで小一時間ほど旋回させられた。
 凍てついた車道を抜け、クリスマスからのイルミネーションで飾られた街に入り、宿に着いたのは真夜中の12時半。長い一日だった。
 ヴロツワフの劇場はガレージのような何もない空間である。ここで脚色を担当するマリー=エレーヌ・エスティエンヌがピーターの指示を受けてリハを進行。二日後に来る予定だったピーターは雪のために空港で待機させられるとのことで、今回は体を慮り、パリで待機することになった。役者たちと再会し、リハが始まる。長い世界ツアーの第一歩である。

グロトフスキ協会のあるヴロツワフ市街地メイン広場に掛けられた『11&12」垂れ幕。