渡仏前、残すところ二回の「添田唖蝉坊・知道を演歌する」会と新CD発表

 昨年東京で上演されたピーター・ブルック演出「スーツ」。実はこの演劇にも参加を依頼されていたが、添田唖蝉坊・知道の演歌のコンサートや研究に追われる大事な時期だったこともあり、この作品への参加は辞退させて頂いていた。89歳になるピーターは健康管理の理由で来日しなかったが、今や彼の片腕となって演出サポートをするマリエレーヌが見え、東京で一緒に食事をしている時、パリからピーターの電話があった。次回の作品は絶対に参加して欲しいという念押しで、一応唖蝉坊演歌のCDも完成させた段階なので、今回は参加を引き受けることにした。この演劇作品については後日紹介するとして、これまで続けて来た桃山晴衣の遺産としての「添田唖蝉坊・知道を演歌する」は、2月末の渡仏を前に開催する二度のライブで、しばし日本公演に終止符を打つことになる。

<先日行われた名古屋でのライブ>
 昨年は4月の神奈川県立近代文学館における「添田唖蝉坊・知道展」での講演・演奏を始め、全国各地でこの演歌の会を催すと同時に、大冒険ともいえる二枚組CD 「添田唖蝉坊・知道を演歌する」を発表し、初めて歌の世界、しかも演歌の世界という、かつての土取利行を知る人をびっくりさせたが、この演歌が想像以上の反響で、とりわけ若い者達の興味も惹くことが嬉しい。この勢いで一昨年暮れ同様、昨年暮れも新たな「添田唖蝉坊・知道を演歌する」第二弾のレコーディングを計画し、準備を進めていたのだが、同時に演歌の起源を研究しているうちに唖蝉坊以前の壮士節や唖蝉坊演歌の背景になっている歌の方に入っていき、唖蝉坊・知道演歌の第二弾は一先ず置いておいて、こちらのレコーディングを優先して進めることにした。
 その結果、この2月16日に全国発売となるのがCD「明治の壮士演歌と革命歌」である。曲目は文明開化のテーマソングともいわれる「トンヤレ節」に始まり、社会主義者達の革命歌「嗚呼革命は近づけり」まで。明治の45年間に自由を熱望し奔走した壮士や運動者達の歌を通して、日本社会の様相が垣間見えてくるだろう。
コンサートとCDの詳細を以下に。
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土取利行「添田唖蝉坊・知道を演歌する」
【姫路公演】
2月2日(土)開場14:30 開演:15:00
会場:MOCCO(コワーキングスペース・モコ)
姫路市綿町76 こうしんビル2F
入場料:前売り3000円 当日3500円
予約問合せ:090−4277−5682/ 090−6060−8204
mail/ banshu.fan@gmail.com
オフィシャルサイトhttp://banshu-fan.jimdo.com

【東京公演】
2月9日(日)開演:15:00
会場:シアターX(カイ)
東京都墨田区両国2−10−14
入場料:全席1000円(シアターX主催レパートリー劇場価格)
予約問合せ:03−5624−1181
mail / info@theaterx.jp
オフィシャルサイトシアターΧ(カイ)|東京両国の演劇芸術を中心とした劇場

CD案内

土取利行「明治の壮士演歌と革命歌」RG-10 立光学舎レーベル
定価2625円(税込み) 全国発売日2月16日
販売元メタカンパニー 東京都新宿区新宿7-27-6 賀川ビル501
tel/03−5273−2821 mail/ info@metacompany.jp
オフィシャルサイト土取利行 明治の壮士演歌と革命歌 [RG-10] : メタ カンパニー