皮膚で旧石器時代を感じた日
19日から20日にかけて異例の初雪(岐阜では11月のこの日の初雪は25年ぶりとか)。紅葉がピークを迎えた晩秋の郡上の山々、その赤や黄色の山肌が一斉に白い綿帽子で覆われてしまった。気温は12 月下旬頃まで下がり、部屋の中で吐く息も白い。外の雪景色を見ながら『壁画洞窟の音』で書いた旧石器時代のことをふと思い出す。ヨーロッパの壁画洞窟が描かれた時代は第四氷河期で、とりわけ一部陸続きだったといわれる日本列島も2万年前のその頃は最も寒かったという。現在よりも平均気温が7〜8度も低かったらしいが、これだと郡上の冬は毎日が零度以下となる。旧石器時代の暮らしぶりがいかに厳しいものだったか想像に難くない。と、あらためてこんなことを皮膚感覚で再認識させられた突然の冬将軍訪問であった。