大英博物館と縄文

 ロンドンに来て初めての休暇。「11&12」のフランス語ヴァージョンともいえる「ティエルノ・ボカール」をイギリスで上演したのが2005年、この時はロンドンではなくロイヤル・シェイクスピア劇場の拠点ストラットフォード近くのワーウィックの劇場で公演したため、ロンドンを訪れるのは2001年のヤングビック劇場での「ハムレット」上演以来およそ10年ぶりになる。
 世界ツアーの楽しみの一つは休暇日にその国の博物館を観てまわれることだ。もちろんロンドンではまず大英博物館詣となる。博物館の入場は無料だが部屋の入り口のあちこちの募金箱が置かれていて、イギリスも経済危機が文化に相当影響していることを感じさせられる。日曜とあって館内は子供連れも多く満員だったが、入場料をとれば観客は激変するだろう。また館内は以前にも増して売店のグッズが多くなっており、本などはかなりのバーゲンが実施されていた。この書店でDOGUという本を見つけた。昨年この博物館で縄文時代土偶展が開催されていたらしく、本はそのときのカタログ本だった。私が縄文鼓を演奏した尖石遺跡の近くにある縄文後期の中原遺跡から出土した素晴らしい土偶の写真が表紙を飾っている。さっそくこの本を購入し、館内巡りは平日に改めることにし、今日は宿に帰って久々に縄文文化について考えることにした。


大英博物館                      DOGU展のカタログ本